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京都大学 交換留学体験記 ①留学準備編 ~南洋理工大学 in シンガポール~
インタビュー・レポ
こんにちは!京大map運営チームで総合人間学部出身のピッツァです。
交換留学体験談の第二弾という事で、オーストラリアに留学した私の話をしたいと思います。今回はあえて、留学に関するシビアな話も交えていきたいです。留学を考えている人、あるいはこれから留学に行く人にも、留学に行く理由について今一度考えてみましょう。
この記事はこんな方におすすめです。
最初に一番厳しい話からしたいと思います。
留学に行けば将来が変わるか。就活に有利になるか。これらの問いの答えは、限りなくNOに近いのではないかと思っています。
単に語学力を磨きたいだけなら、ツールを駆使すれば国内でも事足りますよね。それに、グローバル化の時代で海外留学へ行く人の数は増えている。私の体感的にも、京大でも留学する人は確実に多くなっています。要するに、留学したからといって、「それで?」と言われかねない時代になっているという訳です。
聡明な京大生の皆さんには言うまでも無い事かもしれません。が、大事なことなので強調しておきます。「留学すれば何かが変わる」という受け身の姿勢はやめましょう。自分を変えるのはいつだって自分の主体的な行動のみです。
留学に行きたい人、そしてすでに留学が決まっている人。今一度自分に問うてみましょう——「私は留学して何をしたいのか?」
ようやく本題です。私の留学のいきさつを紹介しましょう。ただし、単なる真似は禁物です。むしろ私の留学経験の問題を見つけて、自分の留学経験に活かしてください。
私が留学を思い立ったのは、2回生の4月の事でした。理由はシンプル。暇だったからです。当時サークルにも入っておらず、学業とバイト以外本当にやることが無かった(コロナの影響もありますが)。そこで、留学して人生経験をしようと一念発起したわけです。
留学先選びについては、急に留学を決めたのもあって、一度語学試験を受けてその点数を見て決めようという感じでした。幸いにも英語は結構得意だったので、テキストを買って自分で勉強し、その年の9月にIELTS Academicを受けて総合7.0を取りました。ただ、Speakingの出来が悪かったので、語学要件をしっかり満たせる、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学を選びました。この大学を選んだ理由は、できれば色々なバックグラウンドを持つ人と交流したく、オーストラリアの多文化社会が魅力的だったからです。
準備としては、私は国際高等教育院の「国際教育プログラム」に入っていました。このプログラムは、E科目履修と海外留学が修了要件となっています。留学支援金もありがたいですが、留学前にE科目を多くとったのは糧となりました。留学生と共にディスカッションを多くする練習を積んでいたおかげで、留学先でもあまり緊張しなかったです。
奨学金の獲得にも苦労しました。奨学金を獲得するためのTipsについては、こちらの京大mapの体験談記事の内容が参考になると思うので、あえてここでは触れません。
留学先では、自分の専門である地理学・歴史学に関する授業を取りました。オーストラリアの大学の特徴として、「Japanese History」のような一つの授業の内に、講義と演習があります。後者では、事前に論文を読んできたうえでディスカッションしたり、テーマを決めて発表したりします。論文を読んでないとついて行けないので、苦労して読んでいたものです。今はAIが進歩したのでもっと楽だと思いますが(笑)。
寮のルームメイトは中国人・ベトナム人・イラン人と移民国家らしい構成でした。絶対レストランでは食べられない味の自炊料理も貰いました。中国人の友達と漢詩に関する話を英語で盛り上がったのもいい思い出です(笑)。シドニーでは、スーパーで普通に日本食材を買うことができます(高価ですが)。町中に行けばダイソーや無印良品もあり、やろうと思えば「日本らしい」暮らしもすることができます。衣食住においては、留学初心者には絶好の行先でしょう。逆に、本格的な「異国」を望む人には向かないかもしれません。

シドニーの無印良品
ここで一つ助言しておきたいと思います。留学先では色々な人と交友を広げますが、最低1人は日本人の知人を作っておいた方が吉です。というのも、疾病や怪我といった緊急事態が起こった際、母国語で助け合える人がいると安心感が違いますからね。
鋭い読者の方はすでに気付いているかもしれません。家と教室以外では何をしていたのか、と。私は一人旅をしていました。しかし、今思えばボランティアやクラブ、アルバイトといった課外活動をもっとしておくべきでした。そう思う理由を説明しましょう。

キャンベラへ電車で一人旅
「留学に行っていた」と言うと、決まって「何をしていたか、どんな学びがあったか」と聞かれます。私含め多くの人はこう答えるでしょう——「授業のディスカッションに積極的に参加した」「日本やそれまでの自分を相対的に見ることができた」などなど。しかし、これらの回答は、ことさらキャリア形成においては陳腐過ぎます。留学という活動には、大学の勉強も新しい世界を見ることも、必ず伴うものです。逆に言えば、留学すれば誰でも辿り着く景色でしょう。
重要なのは、それらを踏まえた上で追加で学んだあなたらしいことは何か、です。それはただ授業を受けているだけでは得られません。留学先という「外の世界」から、更に外へ飛び出すことが必要です。留学生活に安住せず、常に色々なこと、興味のあることに挑戦し続けましょう。

寮のクリスマスパーティで作ったクッキー
とはいえ、多くの人は行く前から何がしたいかなんてわからないと思います。自分もそうでした。私はそれで良いと思っています。始まりは漠然とした憧れからでまったく問題ありません。
留学を終えてわかるのは、留学がさらなる挑戦の機会をもたらすのは事実だという事です。現に私は帰国後、次のような成長を得たと思っています。
しかし、挑戦の機会は楽単のように降っては来ません。自分で掴みとる必要があります。留学はそれ自体が目的ではなく、次なる挑戦への助走に過ぎないのです。
一点アドバイスとして、皆さんには留学中に日記をつけることをおすすめします。どんな些細なことでも、その時の思考や感情と共に記録しておくと、その時々の自分を明瞭に振り返ることができます。
以上、私の留学体験と留学に対する持論を述べました。
もちろん、就活が人生のすべてではありません。私自身、何もかもキャリアや自己投資に結び付ける打算的な生き方に賛同する気は微塵も無いです。思い出の価値は金額ではないですしね。少しでも留学に行きたいという思いがある人は、その火を絶やさないでください。行かなかった後悔よりも、行って後悔です。
それでも、留学していただけで人間として箔が付くという時代も終わっているのかなとも感じます。考えてみれば当たり前のことなのですが、「留学してそれでおわり」ではないことを改めて意識して欲しいと心から思います。
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京大mapの記事をお読みいただきありがとうございました。