プログラム
東大 留学体験記②〜シェフィールド大学(The University of Sheffield)〜
インタビュー・レポ
2024年5月18日、東大でマネックス証券株式会社の創業者である松本大さんをお呼びして、講演会「マネックス松本大、東大生に語る」が開催される。
今回は、講演会を主催する学生団体、Ryoma Venturesの代表、中坪諒真さんに講演会を開催するに至った経緯、講演会への思い、当日どんなお話が伺えるかを聞いた。
UTmap編集部:
自己紹介と、イベント主催団体であるRyoma Venturesの活動内容について伺ってもよろしいですか。
中坪:
工学部システム創成学科psiコース4年生の中坪諒真と申します。今回のイベントの運営団体であるRyoma Venturesという学生団体の代表をやっています。
Ryoma Venturesは今回の松本さんの講演会、 それから第2回、第3回と続く講演会の企画と運営をするために、 有志を集めて活動している団体です。
ずっとコストパフォーマンスみたいなものを意識したキャリアを考えている東大生が多いことに疑問を感じていて、東大生を集めて、自分が関心を持っていたWeb3とキャリアに関する講演会、講演会といっても、興味のある人がカジュアルに話を聞く場、青空教室みたいな感じのイベントを開催したのが団体設立のきっかけでした。
その時は、自分が関心のあることについてのイベントっていう感じだったんですけど、実際にイベントを開催してみて、もっと人をいろいろな人を集められるイベントを開催したい、と思うようになりました。
その後参加したビジネスコンテストで、イベントを使ったビジネスモデルを提案したらすごく評価されたこともあって、学生団体を立ち上げることにしました。
そのビジネスコンテストでは、ベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルのような形でアイデアを出していたため、私の名前の後にベンチャーズをつけて、Ryoma Venturesという団体名にしました。
UTmap編集部:
松本さんがお忙しい中、ご講演くださるということですが、どのようなご関心から参加いただけることになったのですか?
中坪:
大学生と積極的に関わる人って、何かを大学生に教えたいとか、採用したいとか、そういう意味で興味のある人しかいないと思うんですね。学生と交流することに直接的なメリットがある人たちが多いと思います。
ただ、松本さんはお金もめちゃくちゃ持ってるし、予定もたくさん入ってるしで、わざわざ学生に話すっていうことに時間を割く必要もないんですよね。
でも、私が講演をお願いしたときにお伝えしたのは、松本さん、マネックスが大学生にあんまり知られていないのがもったいない、ということでした。あんまり夢のあることをいう大人が少ない中、社会的に成功を収めた松本さんが、非常に大きなビジョンを実現可能だと思えるような説得力を持って語っているのはすごく面白いと思って、それが伝わっていないのはもったいないな、と。そういうことをお話したら、じゃあ面白そうだから行ってやるよ、みたいな感じだと思います。
UTmap編集部:
松本さんのビジョンというのはどのようなものなんですか?
中坪:
日本のGDPが世界4位になった、みたいな話が話題になってたと思うんですけど、それでも個人資産では世界で1番多くて、2000兆円くらいあるんですね。で、それを動きやすくする制度変更、マインドセットの変更でもっと日本が活性化するんじゃないかということをずっとおっしゃってますね。
日本の資本市場の制度はアメリカと比べると機能していない部分が多いので、そこを一つずつ改善して、機能する市場として回るようにしていくだけで全然経済が活性化するよね、というのが松本さんの主張の骨子です。
去年、東証がPBR(株価純資産倍率)が一倍を切っている企業に改善要請を出したことが話題になっていたと思うんですけど、それも市場区分の見直しに関するフォローアップ会議のメンバーになっている松本さんが言い出したことで。そういう形で思想をもって、実際に結果にもつなげている人の話を聞く機会は貴重だと思います。
UTmap編集部:
当日のトークテーマについて教えてください。
中坪:
私個人としては、資本市場を改革するためにこういうことやってます、こういう風に考えてます、みたいな話を聞きたいんですけど、金融について知識のない人もいらっしゃると思うので、もうちょっと大学生に目線を合わせて話してもらおうと思っています。資本市場改革の話は、Youtubeとか他の講演会とかでも聞く機会があるので、今回は大学生に向けて、というような話にフォーカスしていただこうと思っています。
松本さんは東大の卒業生なのですが、授業に出ず、成績も悪かったため留年して、当時は全然人気がなかった外資系企業に英語が喋れないのに入社するなど、大学生が聞いてもおもしろいエピソードが多いと思います。そこから、マネックスを創業して会社を大きくするまでの中で、人生の見方、軸足の置き方がどう変わっていったのかを記者の後藤達也さんに聞き出していただく、みたいな流れを想定しています。
UTmap編集部:
今話題に出ましたが、経済ジャーナリストの後藤達也さんにモデレーターを依頼したのはどのような理由からですか。
中坪:
日経新聞のエース記者でいらっしゃったこともあって、引き出す力がすごいなと感じます。我々が聞きたいことをものすごく深堀ってくれるんじゃないかな、というところが一点。また、後藤さん自身、大学とか高校とかで経済の出前授業をしているので、東大とも接点を持ってもらえれば、東大にとっても後藤さんにとってもいいことなのかな、というところですね。
UTmap編集部:
講演会に参加しようとしている学生にメッセージをお願いします。
中坪:
僕自身、大学に入ってからずっと、何をすればいいんだろう、みたいな気持ちがありました。周りの人がインターンをしていたり、起業していたり、エンジニアとしてバリバリ活躍していたりする中で、焦りがあったんですね。それでふらふらっと留学に行ってみたりしているうちにイベント企画にたどり着きました。そんな自分がなんで今こんなことをやっているかというと、来た人の中に、一人でも明日からちょっと自分の生活を変えてみようかな、って思う人がいいな、っていう気持ちがあります。
松本さんの話を聞いて、心が動いて、ちょっと自分のキャリアを一回考え直してみようかな、キャリアの考え方を変えてみようかな、と思う東大生が増えたらいいなと願っています。
UTmap編集部:
ありがとうございます。松本さんの講演会以降のイベントについては、どのようなものを予定されていますか。
中坪:
今回はマネックスを創業して起業家として成功を収めている松本さんにお話を聞きましたが、今後は、松本さんよりはもう少し身近な、起業された方や、変わったキャリアを歩んでいる方に話を聞ければと考えています。
第2回はマッキンゼーから東大の教授になった田中謙司先生と、その同級生でゴールドマンサックスに行った後、最終的に起業してベンチャーキャピタルと日本株のファンドをやっていらっしゃる宇根尚秀さんにお話を聞きます。どうして恵まれた環境を出て転職しようと考えたか、社会貢献みたいなものに目が向き始めたのはいつだったか、という話を通じて、我々大学生が、こういう仕事をしてみようかな、と考えられるようになればいいなと思っています。
第3回は、大学や金融、官僚など、まだまだ男性比率が高い世界でポジションを築いた女性にお越しいただいて、お話を伺う予定です。カジュアルに、大学生時代からキャリアの話をしていただき、ジェンダーを問わずに東大生と一緒に、女性のキャリアの現状を議論しよう、という企画です。
UTmap編集部:
最後に、学生に一言お願いします。
中坪:
人をたくさん集めたいという気持ちがあるので、時価総額2000億円とか、ゴールドマンサックスとかマッキンゼーとか、そういう言葉を並べてしまっているんですが、そういう形で人を集めると往々にして意識が高い人ばっかりになりがちなんですね。もちろん、そういう人たちにも来てほしいんですけれど、現在あんまりキャリアについて考えられていない人、興味がない人にこそ来てほしいと思っています。
聞いても何にもならないかもしれないけれど、90分なので授業一コマよりも短いし、もしかしたらおもしろいかもしれないな、とふらっと参加してもらって、何か持ち帰ってもらえればと思っています。
日時:5/18(土) 15:00-16:30
開催場所:東京大学本郷キャンパス 法学政治学系総合教育棟101講義室
対象:東大生、大学生を中心とした全ての方(東大生以外の方も参加いただけます)
募集人数:150名程度
参加費:無料(本講演会は事前登録は必須ではなく、当日の参加も可能です。)
主催:Ryoma Ventures
後援:東京大学応用資本市場研究センター
申し込みリンク:https://lu.ma/oki_matsumoto_may_festival
https://lu.ma/gs_une_vs_mc_tanaka
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UTmapの記事をお読みいただきありがとうございました。