入学準備
駒場キャンパス完全ガイド:駒場キャンパスの主要施設とおすすめスポット紹介
解説記事
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
「東大の履修の組み方がよくわからない……」という方も多いのではないでしょうか?
UTmapライターが皆さんに履修について教えます!一緒に考えながら、オリジナルの時間割を創りましょう。
※この記事の使用で万が一不都合や損害が生じても、UTmapおよびライターは責任を負いかねます。学生は履修の手引きならびに教務課への相談等公式情報を使用するのが基本となります。
※語学については英語=既習、二外=初修と仮定してお話しします。それ以外の方も語学以外についてはそのまま使えると思われます。
★がついている項目は主に諸手続きでクラスが判明した後に行うものです。それまではパスでOK。
♪はこだわりのある人向けです。そうでない人はパスでOK。
※2023年度Sセメスターの時間割情報公開は公開次第、次のリンク以下で見られるようになります。(「東京大学授業カタログ・シラバスに関する情報」)それまで、総合科目などは昨年度までのシラバスが参考になります。
クラスが確定する前は、肝心の必修の時間割の多くはわかりません。でも、一部の時間割、及び必要な科目の種類と総量はわかります。参考までに2019年度の文Ⅰ・Ⅱー17組の必修時間割(私がいるクラス)を載せます。文Ⅲでもこの図で問題なし。もっとも先に言っておきますが、ピンクのコマは6コマ中4コマ選べばOKです。その代わり総合科目が2コマ(=4単位)多いです。社学or人文(ピンク)はどのクラスでもこの曜限で固定。大教室でやります。他はクラスごとに違います。他の初修二外でも取るべき科目の種類とコマ数は同じです。
以下が1Sの必修時間割の一例です。必要コマ数は10コマ前後。(ピンクから2コマ選ぶ平均的な場合を想定)(択一と書いてあるコマはどちらかを選ぶので。)ちなみにこれで19単位(前期修了要件は56単位)取れます。
参考までに、以下が1Aの必修時間割の一例です。必要コマ数が7コマ前後(ピンクから2コマ選ぶ平均的な場合を想定)と、1Sよりも減っています。これで13単位(前期修了要件は56単位)取れます。
以下、解説です。
以上の科目は、必ず1年次に履修することとなっているもの(落としてもリカバーは可能)です。クラスが指定されており、いくつかのケースを除いて選択の余地はありません。ただし、水色の英語★における英語中級は必ずしもその限りではないので後で述べます。
赤の科目は必修の科目たちです。Sセメの中国語一列・二列はセットとしてとらえると良いです。担当教員は同じ場合と異なる場合とがあります。二列はAセメには消えます。
「スポ身」の正式名称は「身体運動・健康科学実習」です。「実習」なので単位数半減、セメスター型1コマで1単位です。ちなみに1Aの代わりに2Sで履修することも可能ですが、例外で、取れる曜限や種目も限定されるので、あえてそれをするメリットはないといえます。
英語☆については「2 英語中級(ないし上級) (2)」で詳述します。
なお、中国語演習(初級)①・②(画像例だと木2)はいちおう総合科目L系列に当たり、なぜか公式は狭義の必修としていませんが、取らないと前期修了できないので実質的に必修です。本稿では非公式用語ですが広義必修と呼びます。クラス指定されているものを取りましょう。また、英語☆には、なんらかの英語の必修が入ります。
青の科目(初ゼミ)も必修です。クラス群ごとにグループに割り振られ、ここで2つの異なる曜限の組〔(火3,木3)など〕が確定します。1週目のガイダンス(これは両曜限出席推奨)ののち、専用の「抽選後自動的に履修登録」の期間で、10名(各曜限5名ずつ)の教官の中から第一~第八希望まで出し、教官が確定します。この時点で2つの曜限のうちどちらの曜限のコマになるか〔火3など〕が決まります。
ここまで「必修」の説明でした。ちなみに水色の英語★も、多くの人は決まった曜限で授業を受けます。これは2 英語中級で詳述します。ここからは「準必修」の説明に移ります。
ピンクの科目(人文・社学)は、各セメスターで(月3,火5,水1)のみに開講されている科目群です。文Ⅲ要件を含め、4コマ(8単位)を取る必要があります。理論上は1Sから2Aまでにチャンスが12コマありますが、遅くとも2Sまでには取りましょう。というか、4コマなら1Aまでに取り切ってください。2Sまでに4コマ(8単位)取り切らないと、2Aの負担とプレッシャーが大きい他、取っていない分の単位が0点扱いになり(『履修の手引き』にソースがないので教務課に口頭で確認しました。)進振りで不利(俗に進不利)になります。2Sまで先延ばしにするメリットはないので、1Aまでの4コマで単位取得については決着をつけましょう。
社学:法・政治・経済・数学・社会 各々Ⅰ・Ⅱあり
人文:哲学・倫理・歴史・心理 各々Ⅰ・Ⅱあり
ことばと文学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
※分野が同じで数字の違う人文・社学は「ことばと文学」を除き同じセメスター内で複数履修は不可。
なお、例年、数学(微分積分と線形代数でわかれるから)以外の社学はSセメにⅠのみ、AセメにⅡのみが開講されるパターンが多いです。人文は必ずしもその限りではありません。
文Ⅲ要件は、社学2コマ(4単位)(分野=数字の前の名称は異なるもの)と人文2コマ(4単位)(分野=数字の前の名称は異なるもの)というもっともやさしいものです。
文Ⅲに所属する人の時間割をざっくり確認しましたが、多くの人はSセメに好きな社学1コマ・好きな人文1コマ、Aセメに好きな社学1コマ・好きな人文1コマという組み方をしていました。より一般的には好きなように取るというのがセオリーでしょうか。もっとも、履修チャンスの限られた科目という認識は持っておいてください。
Sセメの時間割についてまとめると、こうなります。
①好きな社学1コマ・好きな人文1コマを決めている人が多い。
②まあそうでなくてもお好きにどうぞ。
クラスが確定したら、詳細な時間割がわかります。
各クラスごとの必修があらかじめ埋め込まれた時間割をUTmapの公式LINEアカウントで利用することができます。
くわしくはこちらから!(発表され次第、告知します)
繰り返しになりますが「英語☆・英語★」については「2英語中級(2)」で述べます。
英語=既習外国語として選択した人の全員に関係があります。抽選登録締め切りが早いです。例年オリ合宿の時期が抽選登録の締め切りで、万全を期して先輩の助言を受けながら抽選登録をしました。忘れずに抽選登録してください。
参考までに2021Sセメスターの「履修登録について」のリンクを貼ります。
履修登録 – 前期課程(1・2年生):PDF
英語=既習、二外=初修の人は、前期修了までに3単位(セメスター型1コマとターム型1コマでちょうど)以上履修する必要があります。もっとも、指定クラスの人のみ抽選登録できる指定クラス型が各クラスに割り当てられ、多くの人はそれを抽選登録・履修するので、実質的に必修です。まずは指定クラス型英語中級で3単位とる人向けにお話をします。そのなかで、「英語☆」と時間割例で水色になっていた「英語★」の意味合いもわかると思います。
まずはこの表を見てください。(『履修の手引き 平成31年度』p.13)
各クラスはこの4グループのいずれかに割り振られます。割り振りは公式HPで見られる『科目紹介』の冒頭、「英語の履修について」で見られます。
「(総合科目L系列)」以外の、英語一列①②、英語二列S(FLOW)、英語二列W(理科生はALESS、文科生はALESA)が基礎科目(狭義の必修)です。英語中級から離れますが、各科目を紹介します。
英語一列:ざっくり、高校英語の延長。
FLOW:ペラペラ指向のワークショップ。
ALESS(理科生)・ALESA(文科生):小論文を書く。課題量が多いので大変。
さて、時間割例で「英語☆」は「英語一列と英語二列Sの同曜限セット」または「英語二列W」をさし、「英語★」は英語中級が絡むもの、すなわち「英語一列と英語中級(総合科目L系列)ターム型の同曜限セット」または「英語中級(総合科目L系列)セメスター型」をさしていたのでした。
ここで「(総合科目L系列)」がさすところは、「ここにあてはまるように英語中級クラス指定型をセットしたから、それをとってもいいよ。ちなみにそれを取る人がとても多いよ。こだわりがなければそこから選んでね。それで単位数も過不足なくとれるよ。英語中級必須3単位を2年次にもちこすと面倒だしあぶないから避けてね。」という意味です。
まとめると、特にこだわりがなく、「英語中級クラス指定型」を選択すると決めている人がSセメ開始時のこの時期にすべき抽選登録は以下のようになります。
①どの人もSセメにとるべき英語中級のコマが1つあるので、それがセメスター型であろうがターム型であろうが(もちろんS2タームであろうが)、「クラス指定型」において、自分のクラスに割り当てられた7人前後の英語中級教官から指定数(例年第5志望まで)抽選登録する。
②「全クラス型」は無視。
ちなみに、抽選に全落ちした場合、定員に余りがある授業の追加募集に参加します。まあ、抽選で人気のない教官ということは、鬼とか大鬼とかキツい授業が多いってことですが。追加募集対象になっていた「鬼」の教官を第一希望に据えて99優上とれた事例があるので、希望を持ちましょう。
また、2年次に追加で単位取得したときや、⑶の一部ケースで、3単位を超えた場合、全体のワイルドカード3単位に組み込めます。ワイルドカードについては後述します。
「全クラス型」は、どのクラスの人でも履修できる英語中・上級のコマです。ただし、開講授業数は少ないです。また、全クラス型で抽選登録し、当選した場合は削除できないので、TLP指定総合科目などと被らないように気を付けてください。要点は以下の通り。
①英語上級はすべて全クラス型。
②全クラス型をとりたい1年生は指定クラス型と全クラス型を両方抽選登録するのが安全。全クラス型に登録が認められた場合、指定クラス型の登録は取り消せる。理論上、全クラス型のみの抽選登録も可能。
③上記両方当選の場合、同じセメスターに指定クラス型と全クラス型1コマずつ、計2コマ履修することもできる(この1コマずつ計2コマが1つのセメスター内での英語中・上級の上限)。もちろんこの場合、グループ1~4のデフォルト設定に縛られず、英語中・上級で3単位(英語=既習、二外=初修の人は)取得した時点で英語中・上級についての前期修了要件はクリアです。
♪詳しく知りたい人向けに、昨年の英語中・上級の履修登録に関する細則はこちら:PDF
必要単位数63単位の内訳について、1、2の節で述べた広義必修科目が46単位です。のこるは(狭義)総合科目〔=総合ABCDEF〕12単位と主題科目2単位、およびその他取得すべき単位〔=全体のワイルドカード〕3単位です。これで前期課程修了要件63単位がそろいます。これらについて考える前に、その前提となる議論をここで導入します。
まず、前期課程の多くの授業はセメスター型・週1コマ・(講義or演習)です。この場合を一般と考えればよいです。1科目につき2単位が付与されます。以下特殊ケースを考えます。
ターム型の場合(英語一列・FLOW・英語中級ターム型)、半減の1単位です。もっともこれらは同曜限でくっつきがちであることを前節で確認しました。よって、セットで2単位ととらえると思考がすっきりします。総合・主題科目にもターム型授業はありますが、少ないです。
週1コマの実験・実習の場合(スポ身)、半減の1単位です。この場合、1セメスターかけて1単位です。後述する「キャップ制のギャップ」もここから発生します。
余談として、理科生の基礎実験を文科生も履修でき、「全体のワイルドカード」に組み込めますが、あれは週2コマ(連続)・ターム型(理科生は1A1~2S1の3ターム連続必修)なので、結局1ターム1単位、2ターム(=1セメスター)2単位です。
前期修了(いちおう2Aまでにだけど2Sまでに取り切るのが強く推奨)の必要単位数は、56単位です。スポ身を考えると、計29コマです。後述のキャップ制を例えば14+15コマで、1Aまでに満たせます。これを目指す人が僕の周り(TLPクラス特殊の事情もあるとは思います)には多かったです。さらにいえば、より少ないコマ数でも2Sまでに満たすのは余裕なので、コマ数を減らして科目当たりのリソース投下を増やして好成績をとりたい人(進学選択ガチ勢)は、より少ないコマ数でよいですね。
法学部に進まない文科生は1Aまでに56単位を取り切ると、2Sは0コマでも進学選択・進学ができます。ちなみに文学部も2Sに持ち出し科目を用意していますが、文Ⅲの友人に聞いたところ、取る人と取らない人とがいるそうです。
「十分な学習時間を確保できるようにするため」(『履修の手引き 平成31年度』p.10)、各セメスターに履修登録できる単位数には上限があります。それは、30単位です。コマ数に換算すると15コマですが、スポ身が入っていると29単位分になります。これを私は「キャップ制のギャップ」と命名しました。どうしても埋めたければ数少ないターム型の総合・主題科目をとれば埋められますが、わざわざそれをするメリットはほぼなしです。そんなことより好きな科目取ってください。それはともかく、1Sと1Aで合わせて60単位(ギャップ込みで58単位)なので、56単位はここにおさまります。
なお、キャップ制は1S・1A・2Sに設定され、2Aは前期教養のキャップ制は適用されません。まあ2Sまでに前期教養のは取り切りましょうって何回も言ってますね。ほか、キャップ制対象外とされる各ケースをここに紹介します。
①TLPのL系列(演習・インテンシブ)
②夏休みや春休み(集中講義期間)に開講されている科目(ほぼ主題科目)
③集中講義や主題科目「国際研修」
④落単した人の他クラス聴講か「数理科学基礎」の補修
⑤後期課程の専門科目
また、前期教養のキャップ制をぶっ壊す方法があります(キャップ解放)。
①要件 1Sで25単位以上とり、点数がつく科目で優または優上を90%以上(割合は単位数ベース)
②効果 1Aと2Sでキャップ制がなくなる
私はキャップ解放しました。やる気にあふれる人は目安にしてもいいかも。
成績がつく場合は100点満点。これを原評価といい、各人が参照できるほか、進学選択で参照します。前期教養では50点以上で単位取得です。各科目でざっくりと以下のランクで表した評価も同時に存在し、便利です。
①優上 (90-100) 原則上位5-10%らしい。
②優 (80-89) 原則優上と合わせて上位30%前後。
③良 (65-79)
④可 (50-64)
⑤不可 (0-49)
⑥欠席 (0)
進学選択に使う成績は2Sまでの成績です。ここでは進学選択のベースとなる基本平均点について概説します。基本平均点は多くの学部が参照しますが、点数の計算方法は学部学科により異なるので詳しくは『履修の手引き』を見てください。基本平均点は、100点満点の原評価を、単位数×重率を使って加重平均したものです。重率は以下の通り。なお、①や②について、とるべき単位数を超えた場合、まずは履修要件(社学のアレとか)を満たしつつ点数が高い科目が重率1(①・②)とされ、残りは③に回されます。①、②の単位数は、各科目群で履修すべき最低単位数と対応しています。
①広義必修、履修要件を満たし成績上位36単位 1
②総合科目、履修要件を満たし成績上位14単位 1
③それ以外(何単位でも) 0.1
④主題科目など 合否のみで公式原評価は出ない
♪逆に言えば、「全体のワイルドカード」3単位は何を指しているかというと、ざっくり(総合D系列「スポーツ・身体運動実習」(必修の「身体運動・健康科学実習」=いわゆるスポ身とは別物)について細かい要件があるので『履修の手引き』をチェック)、2S末で「①・②で溢れ③にまわった成績下位科目」、「③にまわる展開科目(人文・自然)」、「④成績評価のない科目(主題科目、展開科目の社学)」として扱われる科目を、主題科目2単位のほか、2A末までに3単位取っておきなさいね、ということです。余った科目が回される箱。この3単位は最悪2Sまでにとっていなくても進学選択で不利にはなりません。
必要単位数以上をとってやろうとか、「全体のワイルドカード」4単位をどうするかとかは、Sセメに考える優先順位は低いです。まず考えるべきは総合科目で必要な14単位と主題科目2単位。そのなかでもまずは総合科目の優先度が高いですね。
総合科目には、L系列とA~F系列があります。
一般に大学では人文科学・社会科学・自然科学と知の枠組みが再構成され、基礎科目もかかる区分にしたがっていました。総合科目について、あえて文理でいうと、A系列(例:言語態理論)に近いほどざっくり文系。F系列(例:解析学基礎)に近いほどざっくり理系。ただし、「記号論理学」はA系列です。
L系列は言語・コミュニケーションです。英語中・上級3単位のほかは理科生は何も取らなくてよいです。科目によっては工学部指定平均点とかでいいことあるかも?
主題科目は具体的な主題を伴って開講される、オムニバス講義、自由研究ゼミ、体験ゼミ、国際研修です。
以下、ターム型の科目もごく一部ありますが、大半はセメスター型なの
でコマ数換算はセメスター型で行います。
必要単位数
総合ABCと「Lのワイルドカード」:3系列以上にわたり10単位(5コマ)(ただし、「Lのワイルドカード」は2単位(1コマ)以上が必須)
総合ⅮEF:2系列以上にわたり8単位(4コマ)
主題科目:2単位(1コマ)
要するにバランスよくとるということです。1Sの安全策としては、この必要単位数の範囲内で、好きなのをとることです。余剰単位は1A以降に考えればよいのでは。
「全体のワイルドカード」3単位は、以上の単位をそれぞれの必要数以上取った場合と任意選択の基礎科目、展開科目に充当されます。○○は×単位までとか細かい要件が数個指定されているので、「全体のワイルドカード」をとるときは『履修の手引き』をチェック!
クラス確定している人は必修(TLP生はそれも)の時間割がわかっているので、残りで考えましょう。
クラス確定前の人は、とりあえず必修と被るかもとか考えずに、「科目紹介」の総合・主題の欄をみてどれとろうかな、とか考えると良いでしょう。準必修のある月3・火5・水1以外は必修のコマがわかりませんが、わりと必修と総合・主題はすみわけがなされています。
それでは皆さん、良い履修戦略を!
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UTmapの記事をお読みいただきありがとうございました。