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【経済】進振り学科選びガイド

【経済】進振り学科選びガイド

進振り学科選びガイド

こんにちは、UTmap編集部のスコットです!

今回は、経済学について興味がある人向けに、東大で考えられる進学先を紹介します。

「経済の仕組みについて知りたい」「ビジネスに関心がある」「金融市場について掘り下げてみたい」など、一口に経済と言っても様々です。「こうした内容を学びたいなら経済学部しかない!」と思っている人も多いかもしれません。しかし、実は農学部や工学部など他の学部でも経済学を学ぶことができます。

この記事では、「そもそも経済学とは何か?」についてや、各学科で学べる内容、進学先を選ぶときのポイントについて解説していきます。

経済学を中心に学びたい人はもちろんのこと、経済を何かに関連付けて学びたい人は是非最後までご覧ください。

そもそも経済学とは?

「経済学」と聞くと、お金儲けについて学ぶイメージを持つ人も多いかもしれません。確かに結果的に経済学がお金儲けに利用できることもありますが、経済学の本質的な目的は異なります。経済学とは「どのようにすれば我々の生活を豊かにすることができるのか」という問いに答えるために、資源の最適配分を考える学問なのです。

たとえば、個人や企業がどのように意思決定をするのか、景気や物価はなぜ変化するのか、政策や制度が社会にどのような影響を与えるのか、といったテーマを扱いながら、「社会全体の幸福度を最大化する仕組みづくり」に貢献します。

そのため経済学は、経済学部だけで完結する学問ではなく、食料、資源、環境、技術、法律、政治、国際関係など、さまざまな分野と深く関わっています

経済学と他の学問の関わり

たとえば農学部では、食料・資源・環境といった現実の課題を扱いながら、いかにして地球社会の課題を解決し、人々の生活を支えるかを追求しています。農業や食料問題を考えるうえでは、生産、流通、価格、地域経済などの視点が欠かせません。そのため、農学部の中にも経済学と関わりの深い専修があります。 

また、工学部でも同様に、経済学的な視点は重要です。 単に技術を開発するだけでなく、それをどのような形で社会に実装していくのが望ましいかという価値判断も重視しているので、それを考えるうえではやはり経済学的な教養も重要になってきます。

このように、経済学とは関係がないように見える農学部や工学部でも、経済学の考え方を使いながら社会課題に向き合うことができるのです。

もちろん、経済学は理系学問だけでなく文系学問にも大きく関わっています。

たとえば法学部では、法律や政治を通じて社会の仕組みを学びますが、制度や政策を考えるうえでは、経済的な背景を理解することも重要です。「望ましい社会のあり方」を考えるうえで、法・政治・経済を切り離すことはできません。実際、東大の経済学部と法学部では「合併科目」と呼ばれる合同授業も多く、両方をあわせて学ぶことが推奨されています。

さらに、教養学部でも、地域社会や国際社会を幅広く考える中で、経済学の知識が必要になる場面があります。 「進振り学科選びガイド政治」にも書いたように、教養学部には地域社会や国際社会を幅広い視点で考える学科が存在し、そうした学科部では経済の視点も大きな手がかりになります。

このように、「経済に興味がある」といっても、進学先は経済学部だけではありません。自分が経済をどの分野と結びつけて学びたいのかを考えることが、学科選びのポイントになります。

ここからは経済学を中心に学びたい人と他の分野の学習の一環として経済学を学び、経済学を何かに応用させたい人向けに分けて、学科をより具体的に紹介していきます!

経済学を中心に学べる学科

まず、経済学を中心に学べる学科は以下の通りです。

  • 経済学部 経済学科
  • 経済学部 経営学科
  • 経済学部 金融学科
  • 農学部 環境資源科学課程 農業・資源経済学専修(農経)

最初に経済学部の学科について少し補足します。経済学部の3つの学科は学べる内容に大きな差はありません。 「どの授業が選択必修になるか」の違いだけで、その選択必修にも多数重複があります。そのため、例えば「経営学科に入ってしまうと、経済学科で学べる内容を学ぶことができない」ということはありません。

また、学科選択の時期については、進振りの内定が決まった後、10月の後半頃に自由に選ぶことができます。焦らず自分の好きな分野についてじっくり考えてみるのがいいでしょう。

とはいえ、各学科が何を目指しているのか・どういうことを学びたい人が集まっているかについて知っておいた方が、選ぶ際の参考としやすいので、ここでそれぞれの方向性の違いについて解説したいと思います。

経済学部経済学科

どんな視点で経済を見る?

経済学科では、私たちの暮らしや社会を支える「経済の仕組み」を学びます。モノやサービスがどのように生み出され、景気や雇用、物価がどのように変化するのかを理論的に理解し、その知識をもとに社会の課題を考えていきます。

また、経済成長や失業率、物価上昇率といった経済全体の動きを分析し、それらを改善するための政策についても学びます。経済を多角的に捉え、より良い社会づくりに役立つ知識と考える力を身につけることができます。

学び方・研究のイメージ

マクロ経済ミクロ経済的な手法を、国際経済や労働市場、金融市場など様々な分野に応用して理論立てて学びます。授業は基本的に大教室での座学が中心となります。また、歴史的な視点を得るために経済史についても幅広く扱い、広い視野で経済について分析します。

向いていそうな人

  • いわゆる「経済学」を極めたい人
  • 国家公務員(官僚)や政治家・シンクタンクなど、マクロな視点で経済を分析する職業に就きたい人
  • 幅広く経済に関する知識を得て、世の中の仕組みについて深い理解を得たい人

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経済学部3学科共通の進学・学科選択制度

経済学部経営学科

どんな視点で経済を見る?

経営学科では、企業がどのように事業を成長させ、社会の中で価値を生み出しているのかを学びます。経営戦略やマーケティング、組織運営など、企業活動の仕組みを幅広く理解していきます。

また、組織の中で人がどのように考え、行動し、協力しながら成果を生み出していくのかについても学びます。企業経営の視点と人の行動の両面から、ビジネスの現場で役立つ知識や考える力を身につけることができます。

学び方・研究のイメージ

主に経営学的な視点と会計学的な視点を扱います。授業は経済学科同様、大教室での座学が中心となります。

経営学は戦略論と組織論の2つに分かれ、前者はどのように企業の優位性を保っていくか、後者は「人の集合体」である組織においてその構造や機能をどのようにするのが効率的かについて考えます。

会計学は財務会計と管理会計の2つに分かれ、前者は株主や債権者など企業の外部にいる関係者への経営状況の公開、後者は経営者や管理職など企業内部の意思決定に役立てるための判断材料の提供という側面を持ちます。

向いていそうな人

  • 企業がどのような仕組みで動いているかを知りたい人
  • コンサルや経営者として経営に携わることや、会計士や監査法人として企業会計に携わることを考えている人
  • 組織を動かす「人」について探求したい人

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経済学部3学科共通の進学・学科選択制度

経済学部金融学科

どんな視点で経済を見る?

金融学科では、お金の流れや金融の仕組みについて幅広く学びます。企業や個人が行う資産運用・金融商品開発・企業への資金調達・リスク管理といった金融活動を理解するとともに、実践的な知識を身につけます。

また、政府や中央銀行が行う金融政策や通貨政策、金融システムの設計・運営についても学びます。金融が経済全体にどのような影響を与えるのかを多角的に分析し、社会やビジネスの変化を読み解く力を養います。

学び方・研究のイメージ

授業は他の学科同様、大教室での座学がメインです。内容は金融財政に関するものが中心ですが、経済学科や経営学科より高度な数理的分析を扱うこととなるため、プログラミング数学に関しても掘り下げて学びます。20年ほど前に経営学科から独立してできた比較的新しい学科であり、経済学科や経営学科と被る内容も多いです。

向いていそうな人

  • 金融の知識を通じて、企業経営から国の経済政策までを幅広く理解したい人
  • 高度な数学やプログラミングを駆使して、経済や市場をデータから読み解きたい人
  • リスク管理やデリバティブに関する高度な知識を得たい人

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経済学部3学科共通の進学・学科選択制度

農学部 環境資源科学課程 農業・資源経済学専修(農経)

どんな視点で経済を見る?

農経では、私たちの暮らしを支える食・環境・資源について、応用経済学の視点から学びます。農業は食料を生産するだけでなく、自然環境や地域社会、そして資源の利用とも深く関わっており、そうした農業に関する事象が経済に与える影響について探求します。

学び方・研究のイメージ

農学部といえば理系ですが、農業経済学は社会科学としての視点がかなり強くなっています。経済学を知識として学ぶだけでなく考える道具として用いることを重視しており、ミクロ・マクロ経済学・開発経済学など基本的な経済知識や、農業史・農村社会学・フードシステムなど農学関連の座学に加え、フィールドワークにも力を入れています。

向いていそうな人

  • 地域経済について関心がある人
  • 農業・食料・資源と経済の関係性について、掘り下げて学びたい人
  • 経済学を身近なところに実践的に活かしたい人

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農学部 農業・資源経済学専修

学習・研究の一環として経済学を扱う学科

前述の通り、経済学は様々な学問と関わっています。非常に多くの学部・学科が教養科目の1つとして経済学を扱うので、その全てを紹介することはできませんが、ここでは特に経済学と親和性の高い学科について解説していきたいと思います。

今回紹介するのは以下の4つです。

  • 工学部システム創成学科
  • 法学部
  • 教養学部学際科学科地理・空間コース
  • 教養学部教養学科総合社会科学分科

工学部システム創成学科(シス創)

学科の方向性

システム創成学科では、情報通信技術やAI、量子技術、次世代エネルギー、宇宙・海洋開発、新素材開発など最新の工学分野を学ぶとともに、それらを社会にどのように活かしていくかを総合的に考えます。複雑化する社会課題に対して、複数の分野を横断しながら解決策を生み出す力を養うことができます。

また、技術開発だけでなく、倫理や公共政策、技術経営などについても学び、社会に受け入れられる形で技術を実装するための視点を身につけます。専門知識と幅広い教養を兼ね備えた人材の育成を目指していることが、この学科の大きな特徴です。

学び方・研究のイメージ

シス創には「環境・エネルギーシステムコース(E&E)」「システムデザイン&マネジメントコース(SDM)」「知能社会システムコース(PSI)」の3つのコースが設けられています。数理・情報・力学・プログラミングなどの基礎工学に加え、技術と社会、環境、安全、経済といった汎工学を学科共通で幅広く学修するのが特徴です。さらに、全学期を通じて実施されるプロジェクト演習では、グループで設計・調査・研究発表に取り組みながら、実践力や課題探究力を養います。学部後半では各コースの専門性に応じた講義が増え、E&Eでは電磁・核融合エネルギーや海洋開発工学、SDMではデータ指向モデリングや金融市場分析、PSIではライフサイクル工学や特許法などを学びます。卒業研究では実社会の課題をテーマに研究を進め、総合的な技術力や研究力に加え、プロジェクトを推進する力も培います。

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工学部 システム創成学科

法学部

主にどんなことを学ぶ?

法学部の目的は「人間の社会において生じる様々な問題がどのように解決されているか、またどのように解決するべきか」について、法律や政治を通して探求することです。法律と聞くと、条文を覚えるイメージがあるかもしれません。しかし実際には、「社会のルールはどうあるべきか」「国や自治体はどのように意思決定をしているのか」「制度によって人々の行動はどう変わるのか」といったテーマも扱います。

そのため、法学部では法律そのものだけでなく、政治や行政、社会制度についても幅広く学ぶことになります。

どう経済に結びつく?

前述のように法律や政治は、経済と深く関わっています。たとえば、労働時間のルール、企業同士の取引、税金、社会保障、金融規制、環境規制などは、すべて法律や政策によって決められています。そして、こうした制度は企業や個人の行動にも大きな影響を与えます。

そのため、法律や政策を考えるうえでは、「その制度によって誰が得をするのか」「企業や個人の行動はどう変わるのか」「社会全体にどのような影響があるのか」といった経済的な視点も重要になります。

法学部には「法学総合コース(総合的な学び)」、「法律プロフェッション・コース(法曹養成)」、「政治コース(政治学)」の3つのコースがありますが、特に公共政策や国家運営を考える法学総合コース・政治コースにおいては、経済学の視点が大切です。法学部では経済学系の授業も多数開講しているので、ぜひ受講してみましょう。

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法学部

教養学部 学際科学科 地理・空間コース

主にどんなことを学ぶ?

地理・空間コースでは、都市問題や地域活性化、環境問題、高齢化社会など、現代社会が抱えるさまざまな課題を「地域」や「空間」という視点から学びます。

ある地域において、なぜ人口が増えているのか。都市や農村が抱える課題は何か。人々の暮らしや産業、環境は地域によってどのように異なるのか。こうした問いを、地図や一次データ、フィールドワークなどを活用しながら分析していきます。

また、それぞれの地域が持つ歴史や文化、社会的背景を理解し、地域の実情に合った政策やまちづくりの提案につなげる力を養います。

どう経済に結びつく?

地域問題をはじめとする社会課題を扱うという性質上、経済・産業・地域政策に関わるテーマも多く扱います。教養学部では文理の垣根を越え複数の学問を横断的に学び、社会に役立てることを目的としており、地理・空間コースでもそうした側面が色濃く出ています。

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教養学部 学際科学科 地理・空間コース

教養学部 教養学科 総合社会科学分科

主にどんなことを学ぶ?

総合社会科学分科は国際関係論コース相関社会科学コースの2つのコースに分かれています。

国際関係論コースでは、国境を越える価値配分や価値実現の過程・政策・制度などを扱います。学際的な教育を通じて、国際社会を多面的に分析することが出来る人材の育成を目的としています。

一方、相関社会科学コースでは、既存の学問分野の枠にとらわれず、課題そのものに着目する「問題解決型」のアプローチで学びを深めます。政治・経済・法律・社会・文化といった社会科学の幅広い分野を横断的に学び、現代社会が抱えるさまざまな課題を総合的に理解することを目指しています。

どう経済に結びつく?

法学部の理念とも通ずるところがありますが、現代社会を分析するにあたって、政治・経済・法律などをそれぞれ独立したものとして扱うことは困難です。本質的な理解のためには、必ずそれぞれの関連性を考える必要があります。

法学部の研究対象はあくまで法律・政治がメインでしたが、総合社会科学分科ではこうした社会科学の基礎的領域を横断的に扱います。社会の構造を俯瞰する視点を養う同コースにおいて、経済学はその分析のためのフレームワークとして大きなウエイトを占めています。

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教養学部 教養学科 総合社会科学分科

まとめ

いかがでしたでしょうか。一口に経済と言ってもその研究対象は多様ですし、他の様々な学問とも関連しています。進学先をそれぞれ一言でまとめると以下のようになるでしょうか。

  • 経済学部 経済学科
    マクロ経済・ミクロ経済などいわゆる「経済学」を極めたい人
  • 経済学部 経営学科
    経営・会計・マーケティングなど企業経営を中心に学びたい人
  • 経済学部 金融学科
    経済・企業経営などについて金融の観点から焦点を当てたい人
  • 農学部 環境資源科学課程 農業・資源経済学専修
    現地調査を交えながら食・環境・資源などを中心とした経済を学びたい人
  • 工学部 システム創成学科
    技術の最先端に触れながら、経済的な観点も重視したい人
  • 法学部
    法や政治を極めるプロセスとして、経済的素養を身につけたい人
  • 教養学部 学際科学科 地理・空間コース
    地域社会について探求する一環として、経済的な話題も触れておきたい人
  • 教養学部 教養学科 総合社会科学分科
    経済を含めた社会科学分野について横断的に学びたい人

どの進学先も「資源の最適な配分を考え、我々の生活を豊かにする」という経済学の目的と大きく関わってきます。

そうした社会貢献が根底にあることを意識しつつ、どのような形で経済に携わりたいか自分を分析してみることをおすすめします。

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