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こんにちは、UTmap編集部のあおいです!
今回は、生命科学の中でも、特に「動物」を対象に学びたい人向けに、東大で考えられる進学先を紹介します。
「動物が好き」「生き物の体のしくみに興味がある」「将来は生命科学系の研究をしてみたい」と思っていても、東大には似たように見える学科・専修がいくつかあります。
特に候補になりやすいのは、次の6つです。
どれも動物に関わる生命科学を学べる進学先ですが、見ている対象や、研究の目的、社会とのつながり方が、実は少しずつ違います。
この記事では、各学科・専修について簡単に紹介した後、「動物生命科学に興味がある人が、どのような軸で進学先を選ぶとよいのか」を解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
まず大事なのは、「動物が好き」という気持ちを、もう少し具体的に分けて考えてみることです。たとえば、同じ「動物を学びたい」でも、興味の向かい方は人によってかなり違いますよね。
この違いによって、合いやすい進学先も変わってきます。なので、最初の入口としては、「自分は動物の何に惹かれているのか」を考えていくのがいいでしょう。
次からは、動物生命科学分野に興味がある人の進学先になりやすい、6つの学科・専修について紹介していきます。
獣医学専修は、動物の病気や健康を軸に学ぶ進学先です。犬や猫などの伴侶動物だけでなく、牛・馬などの家畜、実験動物、野生動物なども対象になります。
獣医学専修では、動物を「医療や健康を支える対象」として見ていきます。
動物の体が正常なときにどう働いているのか、病気になると何が起きるのかを学びながら、治療や予防、公衆衛生とのつながりも考えます。いわゆる「動物のお医者さん」のイメージに近い部分もありますが、感染症、食品衛生、動物福祉など、人間社会と関わるテーマも多いのが特徴です。
解剖学、生理学、薬理学、微生物学、病理学、内科学、外科学、公衆衛生学などを通じて、動物の体や病気を幅広く学びます。
臨床に近い内容だけでなく、生命科学として動物の体を理解する基礎的な学びも多く含まれます。
https://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/
動物生命システム科学専修は、主に哺乳類を対象に、動物の体のしくみや生命現象を研究する専修です。
獣医学専修が「病気や健康」に軸足を置くのに対して、こちらは「動物の生命現象そのものを知る」ことに近い進学先です。
動物生命システム科学専修では、動物を「生命のしくみを理解するための研究対象」として見ていきます。
たとえば、動物がどのように生まれ、成長し、体の機能を発揮しているのかを、細胞や遺伝子のレベルから個体レベルまでつなげて考えます。発生、生殖、免疫、代謝、行動などに興味がある人にはイメージしやすい分野だと思います。
細胞、遺伝子、発生、生殖、免疫、代謝、行動、ゲノム編集、生殖工学などを学びます。
マウスなどのモデル動物を使った研究も多く、分子や細胞だけでなく、個体としての動物を見ながら生命現象を考えられる点が特徴です。バイオテクノロジーや産業応用につながるテーマもあります。
https://www.ar.a.u-tokyo.ac.jp/index.html
水圏生物科学専修は、魚類、プランクトン、海洋生物など、水の中に生きる生物を扱う専修です。
動物生命科学の中でも、海や川、湖などの環境にいる生物に関心がある人に向いています。
水圏生物科学専修では、水の中に生きる生物を「生命科学の対象」として見るだけでなく、「食料・資源・環境とつながる存在」としても見ていきます。
魚や海洋生物そのものへの興味に加えて、水産資源、養殖、食料問題、環境保全などにも関わるため、社会課題とのつながりが見えやすい分野です。
水圏生物の生理・生態、資源管理、増養殖、魚病、環境応答、天然物化学、水圏生物工学などを学びます。
実験室で分子や細胞を扱う研究もありますが、磯採集や水産実習など、フィールドに出て生物や環境を観察する機会が比較的多い点も特徴です。
https://www.fs.a.u-tokyo.ac.jp
理学部生物学科は、生命現象そのものを幅広く探究する学科です。
農学部の各専修が、動物医療、動物機能、水圏資源など、ある程度対象や応用先を持っているのに対して、理学部生物学科は、より基礎科学としての色が強い進学先です。
理学部生物学科では、生物を「生命そのものを理解するための対象」として見ていきます。
特定の動物や応用先に限らず、生物がどのように成り立ち、進化し、多様化してきたのかを広く探究します。動物に関心がある人でも、「動物に限らず、生物全体を見たい」という場合には合いやすい学科です。
分子生物学、細胞生物学、生理学、発生生物学、生態学、進化生物学、系統分類学、人類学、数理生物学など、かなり幅広い分野を学びます。
分子や細胞のレベルから、生態系、進化、分類、人類学のようなマクロなテーマまで扱うため、生命科学を広く深く学びたい人に向いています。附属臨海実験所や植物園、野外実習などもあり、生物そのものを観察しながら理解する機会もあります。
https://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/biol
生物化学科は、生命現象を分子・遺伝子レベルから理解することに特化した学科です。
「一分子の挙動」や「細胞内の反応」といったミクロなレベルから、神経機能や免疫といった比較的マクロな現象まで扱いますが、その理解の軸は一貫して「分子レベルのメカニズム」にあります。
生物化学科では、生物を「分子や遺伝子レベルで、その仕組みを理解する対象」として見ていきます。
生命現象を、タンパク質やRNA、遺伝子の働きといったミクロなレベルに分解し、それらを積み重ねることで全体像を理解しようとするのが特徴です。
そのため、「なぜこの現象が起きるのか」を分子レベルで説明したい人や、生命の基本的な作動原理に興味がある人に合いやすい学科です。
分子生物学、生化学、分子遺伝学、神経科学などを通じて、生命現象を分子・遺伝子レベルから理解していきます。タンパク質やRNAの構造と機能、遺伝子発現、細胞内情報伝達などを、実験と理論の両面から学ぶのが特徴です。
また、物理・化学・情報科学の知識も活用しながら、1分子・1細胞レベルで生命現象を解析する研究も行われます。
https://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/biochem
統合生命科学コースは、生命科学を軸にしながら、分野横断的に研究できる進学先です。
生化学、分子生物学、生物物理学などの分子レベルの研究から、発生・細胞生物学、生態学、脳・神経科学、複雑系生物学まで、生命科学の幅広い分野を扱います。
統合生命科学コースでは、生物を「複数の階層や分野をつなぐシステム」として見ていきます。
分子・細胞・個体といった異なるレベルの現象を個別に理解するだけでなく、それらがどのように結びついて生命として成立しているのかを統合的に捉えることを重視します。
また、生物学に限らず、物理・化学・情報などの視点も取り入れながら、「どう組み合わせれば新しい理解や研究が生まれるか」という観点で生命を考えていく点が特徴です。
統合生命科学コースの特徴は、研究室の多様性がかなり大きい点です。分子生物学、神経科学、生物物理学、数理生物学、創薬応用、バイオテクノロジーなど、基礎から応用まで幅広い研究テーマが用意されています。
定員に対して研究室数が多く、少人数で指導を受けられる環境も整っています。
https://www.integrated.c.u-tokyo.ac.jp
ここまで見てきたように、6つの学科・専修はすべて動物生命科学に関わりますが、自分に合った進学先を選ぶときには、次のような観点で考えてみると分かりやすいでしょう。
どの進学先も、「動物が好き」という気持ちが出発点になり得ますが、その先で何を知りたいのか、どのように社会とつながりたいのかによって、向いている場所は変わってきます。
進振りを考えるときは、「なんとなく動物が好き」で止めずに、自分は動物のどんなところに惹かれているのかを少しずつ言語化してみてください。
この記事が、自分に合った進学先を考えるきっかけになれば幸いです!